・面接の種類
①個人面接タイプ
受験生1人に対し、面接官が1人~数人
多くの学校で行われている最もオーソドックスな面接です。事前に提出した志望理由書などをもとに質問されることも多いため、書類は提出前に必ずコピーをとり、内容をしっかり頭に入れておきましょう。また、理系学部学科の面接では、志望分野に関連する教科の口頭試問が行われる場合もあります。1人で面接官に応対するのは緊張すると思いますが、まずは落ち着いてしっかり質問を聞きましょう。そして、対話をするつもりで和やかに話すことを心がけると良いでしょう。
②集団面接タイプ
複数の受験生を数人の面接官で面接
受験生の数が多い大学でよく行われる方式です。他の受験生と同じ質問をされることもあれば、それぞれ違う質問をされることもあります。もし他の受験生と答えが重複する場合でも、表現を少し変えたり付け加えたりして、自分らしさをアピールすると良いでしょう。他の受験生が立派に見えても、焦りは禁物。惑わされずに自信を持って自分の考えを話し、意欲を積極的に表現しましょう。
③グループ討論タイプ
受験生数人で討論を行う形式
多くて10人くらいまでのグループで、テーマに沿ってディスカッションを行い、試験官はその様子を観察します。リーダーなどの役割を受験生同士の話し合いで決める場合もあるため、自分の適性を考え、合う役割を選ぶことも大事です。リーダーは、メンバーの意見をうまく引き出し、意見をまとめる能力が求められます。それ以外のメンバーも、議題の趣旨をよく考え、自分の意見を理由とともにはっきり述べましょう。意見を戦わせるディベートではないため、メンバー同士で協力して議論を深めることが高評価につながります。
・面接の3つの評価基準
①服装やマナー、態度や言葉遣いが適切かどうか
②質問の趣旨を正しく理解し、自分の言葉で答えられているか
③意欲や熱意が伝わるよう、自分をアピールできているか
・面接の流れ
1 控室で待機
<注意>
控室では、おしゃべりをしたり音楽を聴いたりせず、スマートフォン、携帯電話の使用も控えます。志望動機を頭の中で再確認しておくことや、身だしなみをもう一度きちんと整えることも忘れずに。できるだけリラックスし、自分の順番まで、姿勢よく静かに待ちましょう。もし体調が悪くなったら、試験会場の担当者に申し出てください。
2 入室・着席
<注意>
名前を呼ばれたら「はい」とはっきり返事をします。面接室のドアを2回ノックし、室内から返事があったら静かにドアを開けて入室。両手で静かにドアを閉めます。面接官の方へ向き直り、姿勢を正して「失礼します」と言ってからおじぎをします。名前や受験番号を確認されたらはっきりと答え、「おかけください」と促されてから、一礼して静かに着席します(名前などは着席してから確認される場合もあります)。
3 面接
<注意>
提出した書類や課題の内容に沿って質問されます。「志望理由」「入学後のビジョン」「将来の進路」「自己PR」「高校生活で力を入れたこと」などの基本的な項目の他、「最近のニュースについて思ったこと」「志望学科に関する専門知識」なども聞かれる場合があります。面接官の顔をしっかりと見て話を聞き、答えるときは相手の目を見て答えましょう。言葉遣いに注意し、質問の趣旨から脱線しないようはっきり答えることが大切です。問われたことに対して一言で返すより、そう思う理由も一緒に述べるとよいでしょう。
4 退出
面接は最後まで気を抜かないことが大切。せっかく受け答えがうまくできても、退室の態度の良し悪しで印象が変わってきます。終了したら、椅子の左側にきちんと立ち、「ありがとうございました」とお礼を言ってから、丁寧におじぎをします。ドアに向かうまでの姿勢にも気をつけ、ドアの前で面接官のほうへ向き直り、「失礼します」と言ってから一礼。静かに退室しましょう。
・おじぎの仕方
足をそろえて背筋を伸ばして立ち、あごを少し引いて面接官の顔を見ます。上半身をゆっくりと倒しながら、両手は流れに沿って腿の前におきます。一拍静止してからゆっくりと上半身を起こし、もとの姿勢に戻ります。背中を曲げたままおじぎをしないよう注意しましょう。
・着席の仕方
指定された椅子の横に、姿勢を正して立ちます。一礼してから、慌てず静かに椅子に腰を下ろします。椅子は深く座りすぎないようにして、背筋を伸ばし、足をそろえ、手は腿の上に置きます。
・面接で聞かれる質問一覧
◆志望理由に関しての質問
<面接官が聞く理由>
なぜ当校なのか。同じ学部・学科がたくさんある中で、なぜ選んだのか。受験者本人の目的意識や意欲、学校に対するイメージなど入学後のことまでを見通してあなたの全体像を確認します。
<回答のポイント>
数ある中から受験先を選ぶには本人の中で何らかの基準があるはず。なぜそこを選んだかという明確な理由を説明し、かつ、面接者にそれがうまく伝わるように話さなければなりません。どこにでもあるような、いわゆる模範回答を話すだけでは面接者へのアピールになりません。そのためには事前の学校研究が重要です。オープンキャンパスなどのイベントに必ず参加しましょう。
① 本学(本校)を選んだのはなぜですか
<回答例>
「私は、生まれ育ったこの○○という土地に非常に愛着があり、『地域の発展に貢献する人材を育成する』という貴学のアドミッションポリシーに共鳴したことが最大の理由です。また、オープンキャンパスで貴学の地域プロジェクトに参加した先輩のお話をうかがい、その実践的な教育プログラムにも大きな魅力を感じました」
② 志望の学部・学科(分野・コース)を選んだのはなぜですか
③ 推薦入試(AO入試)を希望した理由は何ですか
④ 併願はされていますか/第1希望はどの学校ですか
<回答例>
「○○専門学校のAO入試にもエントリーしています。(両方合格した場合はどちらに進学するのですか?)実は非常に迷っています」
◆入学後の生活・取り組みに関する質問
<面接官が聞く理由>
当校でどのような勉強をしていきたいか。将来は勉強した内容をどのようにいかしていきたいかなど学校に入ってから の目標や将来のビジョンについて確認していきます。
<回答ポイント>
志望理由とも関係しますが、その学校を選んだ理由があるはずです。自分の研究したい学問について、なぜその分野に興味を持ったのか、具体的にどのような研究をしてみたいか、研究した内容をどのように社会に役立てていきたいか、貢献したいかなどきちんと回答できるようにしましょう。AO入試ではこれこそ自分の情熱をアピールできる項目(キーポイント)なのです。
⑤ 入学後にしたいことはなんですか
<回答例>
「介護福祉士の資格取得を目指して勉強に励みたいです。それと同時に、ボランティアサークルに所属して、実際にお年寄りや障がいを抱えた方々と接する経験を重ね、『人の役に立つ』ことの楽しさや大変さを肌で感じてみたいと思っています」
⑥ 入学後に勉強以外でしたいことはなんですか
◆オープンキャンパスに関する質問
<面接官が聞く理由>
受験先の学校を研究しておくことは受験準備の中では基本中の基本です。そのためには現場での実感が欠かせません。 どこに魅力を感じたか、このキャンパスでどんな学生生活を送りたいかなどイベントに参加したからこそ出てくる言葉に注目しています。
<回答ポイント>
学校のイベントには必ず参加しましょう。そして、面接ではその体験をもとに自分の考えを主張しましょう。百聞は一見にしかず、まずはしっかり見学し、体験することです。面接で答える際には誇張せずに自分の考えを述べましょう。
⑦ オープンキャンパス(学校見学)ではどのような印象を持たれましたか/本学の学風(本校の校風)についてどのようなイメージを持っていますか
<回答例>
「○○教授の模擬授業が非常に印象に残っています。今、現実に起きている問題と学問がどのように関係しているかが理解でき、大学での学びはこのようなものなのかと視野が広がり、貴学で学ぶことにより魅力を感じるようになりました」
◆高校に関しての質問
⑨ あなたの高校の特色を説明してください/あなたの高校を紹介してください
⑩ 高校生活の思い出を一つ教えてください
⑪ 高校生活で力を入れたことは何ですか
<回答例>
「英語劇部での活動です。最初は英語もお芝居もまったくできなかったのですが、努力を重ねることで自分が少しずつ成長していることを実感でき、しだいに夢中になっていきました。部活を通して、人間的にも前向きな性格に変わっていったと感じています」
⑫高校生活で得たものは何だと思いますか
⑬部活動には参加していましたか
<面接官が聞く理由>
クラブ活動を通じて学んだものは何かを確認します。
<回答ポイント>
面接者はあなたがどのクラブに所属していたかで合否を決めているわけではありません。また、単に「楽しかった」「うれしかった」「悔しかった」などの感想を聞いているわけでもありません。そこに至るまでにはいろいろな経験を積んで結果 として成績が残っているわけですから、そこで何を学んだかが重要です。
◆自分関しての質問(自己PR)
<面接官が聞く理由>
自分のことをうまく紹介できるか。自己分析がきちんとできているか。当校にふさわしい人物か、などの志望動機とは違った角度から学校が「期待する人物像」かどうかを確認します。
<回答のポイント>
自分のことを初対面の人に紹介するのは意外と難しいことです。しかし、自己PRは面接者にインパクトを与えられるチャンスでもあります。人とは違った自分のいい面をぜひアピールしましょう。学校の分野にあった自分の趣味・特技を話すのもOK。しかし、笑いを取ろうとしたり、不真面目な態度で臨んではいけませんし、いいところを見せようと嘘をついたりすることはもちろん不可です。
⑮ 自己PRをしてください
⑯あなたの長所と短所を教えてください
<回答例>
「何事も一度始めたらあきらめない粘り強さが長所です。小学3年生から始めた剣道は今でも続けています。短所は多少内向的な性格です。貴学に入学したら、高校にはなかったプレゼンテーションなどの授業を通して改善できるよう努力したいと思っています」
⑰座右の銘を教えてください/尊敬する人物を教えてください
⑱趣味は何ですか/休日はどんなことをして過ごしていますか/よくご覧になるテレビ番組はありますか
◆自分の関心についての質問
<面接官が聞く理由>
学校以外での活動について確認します。
<回答のポイント>
日常生活(趣味など)は直接仕事と関係あるわけでなく、またプライベートの部分ですから最近はあまり深く質問されることはないかと思います。また、日常生活に関わることが合否の決定的な理由になるとは考えにくいです。むしろ受験生の緊張をほぐすために軽く触れる程度の質問になると予想されますから、あまりに突拍子もないことでも答えない限り問題はないでしょう(とはいえ、履歴書の趣味・特技欄に書いたことについては細かい内容まで質問されるケースも見られます。その場合に、具体的に答えられる話を用意しておきましょう)。高卒後社会人になる人もいます。自分と同じ年の人がもう社会に出るという意識をもって一般常識を身につけたり自分の好きなこと以外でも最近話題になっているニュースをチェックすることは必要です。新聞で自分の興味ある記事を読んだり、TVのニュースを見たりして関心を持つようにしましょう。新聞を全部読むのは大変なので、見出しだけでも読んで、「こんなことが今ニュースになっている」ということを確認しておきましょう。
⑲最近読んだ本の中で、最も印象に残っているものは何ですか
⑳最近のニュースで最も興味深かったことは何ですか
㉑好きな教科と苦手な教科を教えてください
㉒口頭試問(数学、理科、英語。事前に予告があることが大半)