- ・国公立大学医学部AO入試がとても有利になる「地域枠入試」とは?
- ・「地域枠入試」の出願資格と注意事項
- ・医学部AO入試の5つの特徴
- ・浪人生でもAO推薦入試を受験することができる大学がある
- ・国公立・私立医学部AO入試採用大学一覧
- ・AO入試 出願資格
- ・さいごに
・国公立大学医学部AO入試がとても有利になる「地域枠入試」とは?
国公立大学医学部AO・推薦入試は、一部を除いてセンター試験と面接・小論文による個別試験によって行われます。また、平均的な倍率は3倍弱~4倍強です。
しかし、中には評定平均値で4.3以上を求める大学もあります。
さて、国公立大学医学部AO・推薦入試の一部に「地域枠」というものがあります。
これは県や市などの自治体が設定する奨学金を受けることが前提となっている枠のことです。
奨学金の金額は学費+生活費でだいたい月額10万円程度というところが多く、この制度を利用すれば無料で、アルバイトをせずに大学を卒業することができます。
そのため、家庭的に裕福でなくも、医学部に合格できる可能性が高くなり、かつ入学後の学費についても心配がいりません。
・「地域枠入試」の出願資格と注意事項
“地域枠入試”の出願時のおもな資格や要件としては、1 受験生の出身地が各大学が定める地域にあること(定めない場合もある)。
2 受験生の高校時などの学力が、各大学が定める条件をクリアしていること。
3 合格した場合、入学を確約できること。
4 医師国家試験に合格した後、大学が指定する研修病院で卒後臨床研修を受け、その後も一定期間(おおむね卒後臨床研修[前期・後期で合計4年間]+その後5年間の計9年間)、大学や各都道府県が指定する医療機関で医師として働くこと。
などがあげられます。
注意するのは、4の事項です。
つまり、地域枠入試は卒業後決められた期間(大抵9年間)を自治体が指定する医療機関(地域医療または医師の少ない診療科)で働く必要があり、キャリア選択の自由が少なくなってしまうのが欠点です。
自由度の幅は自治体ごとに異なります。
例えば、連続した9年間を拘束するのではなく、留学や他県への研修に行く期間を許している自治体もあります。 そのため、卒後のプログラムの充実度も異なりますので、出願前に調べておく必要があるでしょう。
・医学部AO入試の5つの特徴
1.試験の科目数が少ない私立大学の場合、一般試験は[英語・数学・理科・面接]が一般的です。
しかし推薦入試の場合は、「英語・数学・面接」「英語・数学・理科1科目」など試験科目の負担が少なくしている大学が多くあります。
2.出身の県にある大学や現役生には有利
先程も出てきた「地域枠入試」によって出身県にある大学は、合格に有利になることがあります。
また、推薦やAO入試では、多くの大学で出願する際の条件として[現役生][1浪生まで]という制限があります。 ただ、2浪以上の受験生もAO推薦入試を受験できる大学もなかにはあります。
3.一般入試に比べ、かなり倍率が低い
一般入試は10~15倍とかなりの高倍率です。
一方で推薦入試は約5倍と一般入試に比べて低くなっています。
しかし、倍率が低いからと言って一概に合格しやすい訳ではありません。
ですが、受験の機会を増やすことで合格の可能性を高めることができます。
4.評定成績が関係ない大学もある
推薦入試は評定平均が基準値以上という大学が多いです。
しかし、中には評定平均が不問の大学もあります。
そのため、こまめに受験情報をしっかり収集することが大切です。
5.小論文試験と面接試験が主に重視される
私立・国公立大学にかかわらず、小論文と面接を課す大学がほとんどです。
医系受験の小論文と面接試験では、医療に携わる者としての適性を審査するため、さまざまな内容が出題されます。
そのため、各大学の傾向に合わせた対策が必要になります。英語や数学などの科目別の学科試験で高得点を取っても、小論文や面接試験の結果が良くなければ不合格となる人も少なくありません。
・浪人生でもAO推薦入試を受験することができる大学がある
推薦入試は、現役生のみ応募可能だと思っている受験生が多いです。しかし、実は既卒生でも1浪または2浪までなら応募可能な大学がたくさんあります。
推薦入試は一般試験の前倒しで実施されるので競争率も高く一般入試よりも難しいと言われています。
ですが、応募条件をクリアしている既卒生は積極的に受験することをおすすめします。
実際、藤田衛生保健衛生大学などは多くの既卒生が推薦入試に合格しています。
少しでも医学部に合格する可能性を拡げたい受験生はどんどんチャレンジすることをおすすめします。
ただし、大学によっては専願制を採用している場合もあるので、受験校の推薦入試情報は前もってしっかりと確認することが必要です。
・国公立・私立医学部AO入試採用大学一覧
<国立>旭川医科大学(国立・北海道)
北海道大学(国立・北海道)
弘前大学(国立・青森)
東北大学(国立・宮城)
神戸大学(国立・兵庫)
岡山大学(国立・岡山)
広島大学(国立・広島)
高知大学(国立・高知)
大分大学(国立・大分)
<私立>
順天堂大学(私立・東京) 獨協医科大学(私立・栃木)
金沢医科大学(私立・石川)
・AO入試 出願資格
基本的に国公立大学医学部AO・推薦入試の出願要件は、★学年
★地域
★評定
の3つに学校長の推薦を得られます。
学年の制限は、地域の指定や、自治体奨学金の受給があるものほど、ゆるくなる傾向があります。
次に、評定平均値ですが、評定平均値はどの大学も4.3以上が必要です。
そして、いつの評定が使用されるかというと
⚫現役生⇨3年生1学期までの平均値、
⚫浪人生⇨3年生の最後までの平均値
になります。
そのため、3年生1学期までの平均値が4.3に達さなくても、卒業まで頑張って4.3に達することができれば、1浪したときに受験する資格を得ることができるのです。
出願資格 例)東北大学AO入試Ⅲ期 【大学入試センター試験を課す】 (教育学部・法学部・経済学部・医学部医学科・医学部保健学科・歯学部・薬学部・工学部・農学部)
医学部医学科 (1)出願資格,出願要件及び出願基準 出願資格 次のいずれかに該当する者とします。 ① 高等学校又は中等教育学校を平成 29 年 3 月卒業見込みの者(学校教育法施行規則第 93 条第3 項の規定に基づき,平成28 年度中に高等学校を卒業又は卒業見込みの者を含む。) ② 文部科学大臣が高等学校の課程と同等又は相当する課程を有するものとして認定又は指 定した在外教育施設の当該課程を平成 28 年 4 月から平成 29 年 3 月までに修了又は修了見 込みの者 出願要件 次のすべての要件を満たすこととします。 ① 本学医学部医学科での勉学を強く志望し,合格した場合には必ず入学することを確約できる者 ② 平成29年度大学入試センター試験において,指定する教科・科目を受験した者(16,17 ページ参照) ※ 本学は,平成 28 年度以前の大学入試センター試験の成績は利用しません。 ③ 次の教科・科目を履修した者又は履修中の者 1) 数学Ⅱ,数学Ⅲ,数学A及び数学B(理数科にあっては,理数数学Ⅰ,理数数学Ⅱ及び 理数数学特論) 2) 物理,化学及び生物のうち2科目以上(理数科にあっては,理数物理,理数化学及び理 数生物から2科目以上) ※ 上記科目を高等学校等で履修できない場合は,個別に判断します。 該当する者は,平成 28 年 12 月 9 日(金)までに入試課(26 ページ参照)に問い合わせ てください。 出願基準 ① 本学の教育目標を高い水準で達成できる十分な学力を有すること。 ② 本学の教育理念に照らし,人物的に優れていること。 以上の点で,学校長から高い評価を得ている者(志願者評価書は,学校長を通じて提出して もらいますが,提出できる志願者の人数は特に制限しません。) (2)選抜方 法 出願書類の内容,大学入試センター試験の成績,小論文試験及び面接試験の結果を総合して合格 者を決定します。 出願書類については,高等学校の教科成績のほか,学校内外の様々な学習成果や活動実績,資格 等(英語の資格・検定試験など)を評価します。 小論文試験では,論理的思考能力,独創性,表現力,作文能力,英文読解力などについて評価します。 面接試験では,出願書類の内容を参考にして医師としての適性や医学研究者としての適性を評価 します。出典:東北大学「平成29年度募集要項」
・さいごに
国公立大学医学部AO・推薦入試の倍率は、医学部入試が過熱しているにも関わらず、この数年微増か横ばいで、ほとんど変化していません。その大きな要因としては学年、評定平均値に制限があることに加えて、近年増加した自治体奨学金による卒業後のキャリアの制限が原因になっていると考えられます。
また、評定平均値4.3を取ることができる学生は限られています。
そのため、この条件が緩和されなければ、志願倍率は今後も大きく増加することはないでしょう。
対策においては、面接・小論文は難易度が高い大学もあり、大学ごとに出題傾向がバラバラですので、志望校に合わせた対策ができる先生、塾、予備校などで対策をしてもらう必要があります。
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